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ずっとフィルムカメラ

一年半ほど前に、FM10のことをこちらに書いて以来、フィルムカメラのことを書いていない。ではもうすっかり使っていないのかというとそうではなく、前回の記事を書いて以降もずっとフィルムカメラを使い続けている。現在主に使っているフィルムカメラは以下の通りだ。

  • CONTAX G1 + Planar 45/2
  • CANON IXY 310
  • FM10 + 標準レンズ、または ULTRON 40mm F2 SLII

他にデジタルカメラとして

  • CANON M (メイン)
  • SIGMA DP1 (サブ)

CONTAX G1の中古を安く手に入れ、これが何とか使えているので、主に使っている。持病の液晶漏れがあり何コマフィルムを使っているのかわからないが、そして合焦が先代G1よりも弱いが、それでも使えるものであるのは間違いない。そうであれば、やはりPlanarを使いたい。そういうわけで、G1の出番が多くなっている。ULTRONのこってりした色合いや、FM10標準レンズの解像度の高さは十分魅力的だが、やはりPlanarを手にしてしまう。
最近はあまり写真を撮りにいく時間がないので、その限られた時間で使うカメラとなると、どうしてもCONTAX G1が優先される。普段いつも持ち歩いているのは、IXY310なのだが、これもそれほど出番がない。カメラの問題というよりも、写真と向き合う心の問題のような気がする。きちんとカメラに向き合って、被写体にレンズを向けると、それだけで世界が新しくなる気がするのだ。少なくとも、ぼんやり目を向けていたときとは違う何かが見えてきて、それが溢れてくる。

FM10 レンズキット

我が家にある35mmフィルムカメラの調子がいずれも悪い。APSフィルムカメラも、CONTAX Tixの調子が悪く、フィルム生活に不安があった。APSの方は、CANONのIXY310がまだ現役なので、それで現状をしのいでいるが、35mmの方は、EOS55もCONTAX G1も思い通りに動かなくなっている。どちらも通常利用に心配がある。

今後もフィルムを使い続けるつもりなので、やれレンジファインダー機がいいだとか、やれ名機がいいだとか言っていられなくなってきた。中古でも良いのだが、ある日突然動かなくなる危険性を考えると、新品同様のものをひとつ入手して、メーカー保証の安心のもとに長く使いたい。そういう理由で、ぼんやりとFM10のことを考えていた。

今回たまたま、御殿場のニコンアウトレットに行く機会があり、そこでそれなりに良好状態の、保証もついたFM10を見つけることができた。価格もお手頃である。最初ボディのみの購入を考えていたが、様々な理由でレンズキットを購入することになった。いわゆる名レンズはそのうちに…(笑)。お店の人とフィルムカメラの販売について話していたところ、F6もあるし、フィルムカメラはまだ大丈夫ですよ! みたいな話をしていたが、一方でFM10はもう製造はしていないでしょうね、みたいな話も出てきて、安心はできない。しかし、F6がありますよ、と言われてもお値段が違います(笑)。来年100周年だそうなので、どんなカメラが出てくるか楽しみでもある。フィルムカメラはまず出てこないと思うが。

ちまたの評判はあまり良くない。あまり良くないどころか、ほとんどない。誰もこのカメラのことを気にも止めていない。そういうカメラである。今なぜこのカメラを、という疑問はいつでもつきまとう。欠点を上げればキリがないカメラである。しかし、わたしには、持ち運びが軽く、今後のフィルムカメラ生活を長きにわたって維持してくれる大切なカメラなのだ。今週末の試写が楽しみである。レンズも平凡なものだが、35mmから70mmを撮影出来て、たいていのことなら、これ1台でなんとかなる。こういうカメラでスナップショットをとるのは、とても楽しそうだ。

FM10 レンズキット

CONTAX G1 , SIGMA DP1

かなり昔に友人から譲り受けた CONTAX G1 の調子が悪い。以前から合焦時にギーコギーコとやかましく、ピント合わせに失敗することが多かった。MFでピント合わせをしてもうまくいかず、ストレスのたまる撮影だった。

たまたまオークションを眺めていたところ、ジャンク扱いの G1が出品されていた。電池ふたがないために、1000円という値段がついていた。最近の G1, G2 はなぜかオークション時に値が高い。良品の品薄感があるのか。いずれにしても、ふたは既に持っているので、ダメで元々落札してみた。結局1300円で入手した。ひとまず電池を入れて動作確認したところ、一通りの動きは問題なし。シャッターが切れたり切れなかったりするのだが、コツをつかめば何とかなりそうだ。最終的に、MFで使用する分には問題なしという結論になった。AFでも動作は可能なのだが、日の丸写真しか撮れないようだ。休日の鎌倉で一通り撮影を済まし、プリントを見て感動した。相変わらず、想像以上の写真を写し出す。

IMG_4166

桜の季節なので、あちこちカメラを持ち歩く。常時3台のカメラをいろいろと使い選んで分かったのは、自分は35mm(35mm換算)のレンズが好きらしいということだ。思い描く構図にしっくりはまる。さらに、プラナー 45mm/f2 は絶対にはずせない。こちらはいざというとき一番頼りになる。SIGMA DP1 の 28mm(35mm換算)は、上手く使いこなせないことが多いが、はまると驚くべき写真ができあがる。約1年ぶりに使ってみて、このカメラの底力を思い知った。目を見はる解像度は、プラナーとはまた違った力を感じる。DP1をうまく使いこなせるようになりたいものだが、たいてい間の抜けた構図になるのは、力不足というしかない。ただし、楽しい力不足だ。

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CONTAX Tix

今さら、APSフィルムカメラの話ではない、と書き続けて数年になるが、またもAPSフィルムカメラの話だ。
もはや、APSというのは、撮像素子サイズのAPS-C くらいしか生き残っていないのではないだろうか。

何はともあれ、最近愛用の、CONTAX Tixの調子が悪い。使用中に、枚数表示が点滅して動作不能に陥るのだ。フィルムを無駄にして、あれこれ調べてみると、結果、電源周りが怪しいことが分かった。電池を新しいものに変えると、動くときがある。結局「CONTAX 電圧低下」でウェブ検索すると、CONTAXの持病らしいことが分かった。電圧低下にシビアなので、電池の個体差も含めて、新品の電池を使っても使用不能になるらしい。今のところ、電池を新しいものに変えながら、だましだまし使っている。だましだましでも使いたいカメラなのだから。

一方で、CONTAX Tixがいよいよ完全に使用不可になった場合に備えて、貯蔵しておいた、CANON IXY 310の撮影を試してみる。まだ現像が上がってないので何とも言えないが、CONTAX Tixの代用になればうれしい。ネットの評判はあまりよろしくないようだが。とはいえ、今さらネットの評判云々とも言っていられないのが現状だ。APSフィルムはたくさん買い貯めているので、まだまだ CONTAX Tixにも CANON IXY 310にも現役でいてほしい。さらにバックアップとして、CANON IXE もあるので、困ることはないだろうが、携帯性としては、CONTAX TixやCANON IXY 310の方を積極的に使いたい。

 

APS film

今さらAPSフィルムの話でもない。
富士フィルムがAPSフィルムの販売を終了してからすでにだいぶ経つ。販売を終了すると聞いて買いためたフィルムを少しずつ使用している。CONTAX Tixを使いたいためだ。

今回、久しぶりにCONTAX Tixを使い撮影をした。出来上がったプリントを見ると、時々ざらざらしたプリントがある。フィルムも古いし、カメラも古い。どんなトラブルが起きても、驚きはしない。今回、店員にカートリッジの調子が悪かったので、スペアのカートリッジと交換した、と告げられた。スペアカートリッジなるものの存在を知らなかったので、未だにAPSに関して新しい発見があるのかと驚きを禁じ得なかった。ともかく珍しい体験ができたのは感謝である。その帰り道、APSのマークに似たロゴを見つけたので、一緒に並べてみる。クロネコヤマトのFAXである。

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2015/05/16 12:07

2015/05/16 12:07

EOS M

フィルムカメラの環境が日に日に悪化しているので(現像とか)、やむなく投げ売り状態の EOS Mのダブルレンズキットを購入した。全部入りで4万円しないのは、AFが遅いなど、とにかく評判の悪いカメラだからだろう。しかし、普段CONTAX G1をまったり使っているわたしにとっては、AFがとても速く感じられる。機能が豊富で、かつ綺麗な写真が簡単に撮れるので、浦島太郎になった気分だ。CONTAX G用のプラナーをつけて、MFでベンケイソウを撮影する。とても良い感じ。付属のパンケーキレンズも標準ズームレンズもよく写る。今までのレンズ資産を考えて、EOSにしたが、まあ正解だった。とにかくできることが多すぎるので、現在マニュアルを読んでいる。CONTAX G1には存在しない、HDRとかこれから試したいことがいろいろ出来た。

ベンケイソウ

EOS M

CONTAX G1 + Planar 2/45の常用フィルム

デジタルカメラ全盛の現代でも、いまだフィルムの選択の余地がある。写りの美しいフィルムは、やはりおおむね値段が高い。せっかくフィルムを使って写真を撮っているのだから、多少の値段の高さには目をつむろうと考えていたが、それでも安いに越したことはない。

いろんなフィルムを試してきて、いざという時に一番頼りになるフィルムは、富士フイルムの natura1600だ。このフィルムを+2段の設定にした時の安定感は絶大だ。自然な雰囲気の写真がどんな状況でも撮れる。

晴天下での撮影でも、室内での撮影でも、どちらも同じように手持ちで撮影できるのはとてもうれしい。難点を言えば、1本あたり750円程度というのが、常用フィルムにするのを妨げている。

もう一つの常用フィルム候補は、Kodak のSUPER GOLD 400だ。まとめ買いをすれば、1本あたり290円前後で使えるので、精神的には大変楽である。しかも値段の割りに、自分の気に入った写りをしてくれるので、普段使いには最適である。暗い室内での撮影さえなければ、このフィルムで決まりだろうという感じである。

f8くらいで撮影したもの

f8くらいで撮影したもの

CONTAX G1 + Planar 2/45 との相性がよいのか、発色の良さと、肌色の良さが気に入っている。富士フイルムのスーペリアプレミアムはたまに肌色が赤みがかる時があるので、こちらを選ぶ機会が増えている。値段も半分くらいで済むという理由もある。

リバーサルフィルムでは、値上げ前の velvia100を使っているが、これが在庫僅少になりつつあるので、今後どうしようか思案中だ。1本1000円近くするフィルムを気軽に使うにはかなり勇気がいる。

最近手に入れたフィルムの中で、富士フイルムが海外でのみ販売している C200というフィルムに注目している。値段が1本あたり208円と安いのに、写りは悪くないという評判なので、現在試し撮りをしている最中だ。撮り終わるのを楽しみにしている。

写真のボケの魅力

最近、いわゆるスマホ世代の若い人たちに、CONTAX G1 + Planar 45mm/F2 + natura1600 で撮影した写真を見てもらう機会があった。暗い室内の撮影のため、F2.8くらいの開放気味で撮影した写真を見せたところ、「立体的」、「トイカメラのよう」、「ボケが良い」という評価があった。自分としては、手前の人物も奥の人物もピントが甘くなっており、集合写真としては不合格だなと思っていたが、スマホのカメラに慣れている人たちには、新鮮に映ったようだ。特に、皆の評価が、ボケに関する部分に集中していたのが印象に残った。つまり、若い人たちの所有するカメラでは、なかなか表現できないものが、ボケなのだろう。そもそも、ボケとは日本特有の文化のようだ。というのも、英語のWikipediaにも「Bokeh」として、項目が載っているのだ。Bokeh is the blur, or the aesthetic quality of the blur, in out-of-focus areas of an image. と書いてある。かつて、どこかの文章で、欧米では、被写界深度が深い方が好まれると読んだことがある。よく見えない、あやふやな、ぼんやりしたところに意味を見いだすというのは、いかにも日本的らしいのだろう。その「ボケ」のところに、若い人たちがもっとも注目するというのは、日本人らしさを考える上で非常に興味深い。

カメラとレンズの寿命

昨晩、息子がデジタル一眼レフカメラが欲しいと言い出した。フィルムカメラだと現像代がバカにならないからだそうだ。一晩考えて、自分が現在使っている、SIGMA DP1を息子に譲ろうかなと考えていたところ、息子が学校から帰ってきて、中学に入ったら写真部に入部するつもりだと話してきた。写真部では、デジカメを使う必要があるそうだ。DP1の譲渡を話したら喜んでいた。ちょうど良い機会だったのだろう。

先日どこかで読んだ文章の中に、カメラやレンズを所有するのはたかだか数十年だが、カメラやレンズの寿命はそんなに短いものではない。自分の手元に、ある期間、借りているだけなのだ。そう考えるべきだ、とその文章は言っていた。DP1は私の手元を離れても生き続けるし、それだけの価値のあるカメラだと思う。そしてまた、ムイから譲り受けたCONTAXのカメラも同様なのだろうと感じる。いつかはまた、私の元を離れて、別のところで使われるべきなのだ。その一瞬の間、大切に使うべきなのだろう。

浦賀道、八坂道、歩道橋の上に続く階段

横須賀には、いかにも横須賀らしい階段がたくさんある。そのうちの中で、古道が階段として残っているものがある。一番左の写真は、浦賀道の枝道だ。その隣の写真は、八坂道という古道が階段になっている。最後に、国道16号線に架かる歩道橋の中央部分から、さらに上に伸びる階段を紹介する。歩道橋からさらに上へ伸びる階段は、他ではあまり存在しないのではないだろうか。