話しながらだんだんと考えを仕上げること

私は昔から文学が好きで、しかもフランツ・カフカが好きだ。フランツ・カフカの作品を読み進めていくうちに、ハインリッヒ・フォン・クライストという劇作家を知るようになる。彼の作品はそれなりに読んでいるが、ほとんど全く記憶に残っていない。「こわれがめ」は読んだはずだ。「ミヒャエル・コールハースの運命」は最初の数ページで挫折した気がする。

しかし、この「話しながらだんだんと考えを仕上げること」は全く違った。おもしろくて、今でもしばしばこの作品の内容を実践している。この作品は小説ではなく評論といったもので、いかに話しながら考えをまとめていくかを丁寧に論じている。私は文章を書く上で、作中人物に会話をさせる際、このやり方をよく用いる。つまり、会話をさせながらある一定の方向へ考えを導くというやり方だ。こういう時に、このクライストの作品がとても役立つ。もう一つ、会話の方法としては、アルフレッド・ミュッセの恋愛会話術は大変に役立っている。会話をしながらどんどんと話を変えていくのは、彼が断然うまい。一方登場人物に話をさせて、会話を破綻させたり、別の話にすり替えたりするのが上手なのはフランツ・カフカだ。いずれも文章中の会話や、現実の会話に非常に良く役に立っている。

こんな昔の、あまり人気のないドイツ劇作家のことならインターネットに情報がないだろうと思ったら、案の定あまりない。人気はないが、私はこの作家がとても大好きだ。特にこの作品は別格である。

ウェブストアのアマゾンにもクライストの作品はないだろうと考えていたら、思ったより大変品揃えが良かった。全集まで存在する。アマゾンにない作品を紹介して、アフィリエイトが張れないと書くつもりだったが、せっかくなので、アフィリエイトのテストをする。有名どころの作品ではなく全集にアフィリエイトするのだ。


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このページは、ちんみが2008年4月25日 19:05に書いたブログ記事です。

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